沖縄県慢性期医療協会会長 玉城 仁
このたび、沖縄県慢性医療協会の会長を拝命いたしました玉城仁でございます。24病院が参加する伝統ある本協会の会長という大きな役割をお引き受けすることになり、光栄に思うとともに、その責任の重さを感じております。
人口減少が続く中、沖縄県では高齢化の進行が一層加速すると見込まれており、慢性期医療のニーズはますます高まってまいります。急性期医療は高度医療・急性期疾患に不可欠な最前線ですが、慢性期医療は長年にわたり患者と地域に寄り添い、生活の質を支える基盤であり、急性期から在宅・介護へとつなぐ橋渡しの役割を担っております。近年、急性期病院では高度医療の集約化が進んでおり、その一方で慢性期医療機関にはポストアキュートのみならず、高齢者救急を含むサブアキュート対応や、再入院防止に向けた地域支援など幅広い機能が求められています。2024年度の診療報酬改定で導入された地域包括ケア病床や地域包括医療病床における「下搬送」も、こうした流れの一つといえるでしょう。
今後は、急性期病院との病病連携に加え、介護保険や在宅医療との連携強化がこれまで以上に重要となります。本協会がその中心として十分に機能し、会員施設の力を結集することで、地域における慢性期医療の質の向上に寄与できる組織を目指してまいります。
これまでの会長や先輩方が築いてこられた「地域に根ざし、患者さんに寄り添う医療」をしっかりと引き継ぎつつ、新たに直面する課題にも柔軟に対応できる協会を目指してまいります。会員の皆さまと共に歩みながら、慢性期医療をよりよいものに発展させていければと思っております。今後とも皆さまの温かいご指導とご支援をお願い申し上げます。